会社法人の職権住所変更登記開始|司法書士実務への影響

こんにちは〜バトンくんです!2026年5月15日より不動産登記記録で会社法人等番号が記録されている法人について、職権で住所や商号変更を行う運用がスタートしました!
節税にもなるし、便利な半面、早速実務において影響が出てきそうな今日のテーマです。
それではよーい、スタート!!

会社法人の職権住所変更不動産登記で問題が起こりうる事例

職権住所変更が、便利な半面、今後起こりうる問題について事例形式で紹介します。


2026年8月1日に株式会社Aの所有する土地の売買があります。

売主 株式会社A
買主 田中さん ローン購入

株式会社Aは2025年9月に今回売却する土地を取得し、登記をしました。
2026年6月会社の本店がさいたま市から板橋区に変更し商業登記を行いました。

司法書士は、決済に向けて準備を開始。

2026年7月に登記記録を確認すると、

◼️ 商業登記記録
会社法人等番号 1111-11-111111
商号 株式会社A
本店 板橋区〜1−1−1

◼️ 不動産登記記録
住所 さいたま市〜 
所有者 株式会社A
会社法人等番号1111-11-111111

司法書士はこの登記記録と売買契約書から必要な登記を判断

  1. 住所変更登記
  2. 所有権移転登記
  3. 抵当権設定登記

の3件の登記申請の準備、見積書の作成。銀行から抵当権設定書類を事前に預かり、決済前日までに事前準備。

司法書士は決済当日(買主から売主へ売買代金全てが支払われ、売主から買主へ所有権移転登記が行われる日)、現在の登記記録を確認し、権利関係に問題がないことを確認のうえ、銀行に融資実行を依頼して、お金が動いていきます。

例えば、税金の滞納による差押が入っていたり、基本ないですが、新たに抵当権がついていたり、所有権が既に別の誰かに移転していたり、買主、銀行にとって不利な権利が先に入っていないか確認し、安全な取引であることを司法書士が担保しています。

ここで!!!!!

登記情報が確認できない!!!!!

という事態が職権住所変更登記と重なってしまう場合起こりうるのです。

登記情報が確認できないということはどういう事態か

法務局内で登記記録の内容書き変え中は「事件中」といって、登記情報が閲覧できなくなります。その期間は1日やすぐには終わりません。つまりその期間は最新登記記録の確認ができません。

決済当日付近で法務局が会社の住所変更登記を職権で行う手続きに入る
登記情報が閲覧できない状態になる
司法書士が決済当日に最新の登記情報が確認できない
法務局は何の手続きで登記記録が閲覧できないのか、理由は教えて貰えません。これだと職権住所変更なのか、差押えなのか、他の権利変更登記なのかわかりません。
融資実行ができない
売買ができない
売買取引が予定通り行えず、買主、売主、銀行、仲介不動産会社、司法書士全てに影響、損害発生

このような状態になりかねない。ということ想定できるわけです。

司法書士が考える会社法人職権住所変更登記対策

所有者が会社や法人で不動産登記記録を確認し、

会社法人等番号の記載があり

現在の商業登記記録の情報を確認し、

商号または本店が不動産登記記録から変更されている

このパターンがきた時、要注意です!!!

現時点で、明確な対策はない。という前提はありつつも、注意喚起はできます。

対策① 事前に売買がある旨を司法書士や専門職が照会票で管轄法務局へ伝える

登記記録が、当日に閲覧不可とならないように売買取引がある旨を知らせておき、法務局へ被らないように喚起するというのが考えられます。

対策② 取引と商号変更、本店移転時期の調整

これから本店移転や商号変更が控えていて取引がある場合、安全性でいえば変更前に取引を行う方が安全です。ただ取引を基準に本店、商号の変更の時期は多くは変えられないので、提案の1案程度になるでしょう。

他にもいい案があればご教示ください。

会社法人の職権住所変更登記は本来メリットがある良い制度

①職権住所変更登記は節税効果手数料節税効果あり

住所変更登記は、登録免許税が不動産1個につき1000円かかります。

マンションを1000室保有している不動産会社があるとします。

不動産会社が本店を変更するだけで、今までなら200万円は少なくとも税金がかかっていました。(一部屋につき土地・建物で2000円前提)

これだけでなく、登記をする司法書士報酬も加わると、数百万単位で出費が発生していましたが、これがなくなります

職権変更は無料、税金ががかりません。

②登記記録を見れば常に最新情報がわかる

これが国が求めている理想的な状態です。どこの何という会社が、所有者なのか。人の氏名は簡単には変えられませんが、会社の商号は全く別にすることもできますしね。関連がなかったら現在何という会社で活動しているのかわからないので、特定できるようになります。

司法書士業界を取り巻く法改正の連続

近年は、

  • 相続登記義務化
  • 住所変更登記義務化
  • 職権住所変更登記
  • 所有不動産証明制度

など法改正・新制度が非常に多く、

司法書士試験合格だけでは対応しきれない実務が増えています。

特に不動産売買・相続・商業登記を扱う司法書士は、

制度改正を継続的にキャッチアップする力が重要です。

バトンくん自身、

受験時代は伊藤塾で基礎を固めたことで、

実務に入った今でも「条文・登記制度の理解」が役立っていると感じます。

これから司法書士試験を目指す方、

短期合格を狙いたい方は、

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まとめ

いい制度の裏には課題もある。それは当然です。課題が全てクリアになってからいい制度が開始されるというのでは、遅いといいますか、ずっと開始できない、ことなのかもしれませんね。

始まりは現場は混乱の連続でしょうが、やれる事と細心の注意を払いつつ

あとは、はずれくじ引かないように祈りましょう。

今日のゴールです。ありがとうございました。

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