評価証明書、公課証明書、関係証明書の年度が切替わる4月1日。
現役司法書士が、登記手続きに必要な課税価格の記載方法に欠かせない評価証明書について解説しています。
目次
4月1日から令和8年度の評価額
所有権移転の登記申請手続きを法務局に行う際に、課税価格を記載しなければなりません。
え、自分で書くの?そっちでやってよ。
って思いとは裏腹に課税価格を自分で書いて根拠資料を併せて提出する必要があります。
この提出する根拠資料の区切りの一つが3月31日なんですね!
具体的には、
| 3月31日まで | 令和7年度の評価額 |
| 4月1日から | 令和8年度の評価額 |
不動産をお持ちの方は毎年送付されてくる固定資産税・都市計画税の納付書に同封されている課税明細書に記載がされています。
しかし、送付されてくる間に登記申請を行う場合、評価額を確認する資料として評価証明書を取得する必要がでてきます。
評価替えは3年に1度
不動産の固定資産税評価額は原則3年に1度評価額が更新されます。次の評価替えの年は令和9年度となりますので、令和7年度と令和8年度の固定資産税評価額基本変更はありません。つまり、令和7年度の課税明細書や評価証明書に記載されている数字をそのまま持ってこれるってことですね!
しかし、あくまで原則なので、例外ももちろんあります。「評価替えの年ではないので、見積りは変わらないです~」なんて言ってたものの蓋を開けてみると、あれ、若干違うじゃん!ってことはまれにあります笑 不動産ごとというより、市区町村ごとによるのかなと思います。
司法書士合格者でも分からない課税価格の見方
実は司法書士試験を勉強して合格した人が実務に出ると迷うのが課税価格にどの値を取れば良いのか、という点です。司法書士試験では評価証明書の読み方は習いません。
え?司法書士試験に受かっているということは登記のプロなんじゃないの?と思われるかもしれませんが、試験合格ほやほやで、実務未経験の人が登記の申請を行ってもおそらく補正(法務局から間違えを指摘され修正を求められること)になるでしょう。
司法書士試験と実務の比較
| 課税価格 | |
| 司法書士試験 | 問題文に与えられている |
| 実務 | 評価証明書の評価額から読み取る |
キーワードは『評価額』
では司法書士試験合格者でもあやふやな課税価格の箇所なのに素人の私がどう読み解いていけばいいのでしょうか?
ポイントとなる用語があります。それは『評価額』と書かれた数字です。この数字を課税価格に記載されている数字に使うんだ!というのが一つのポイントです。
※注意点
建物についてはそのまま評価額の数字を使うことが多いですが、共有の場合は注意!
| 課税価格 | |
| 単独所有者(単有)の場合 | 評価額 |
| 共同所有者(共有)の場合で一部だけ権利が移転する場合 | 評価額×持分 |
| マンションの土地部分について(敷地権付き区分建物) | 評価額×敷地権割合 |
まずはこの3つをおさえておきましょう。
いろんな呼び名があるぞ。評価額が載っている書面
評価額が載っている代表的な書面として評価証明書がありますが、その他にも公課証明書、公租証明書、関係証明書、固定資産税課税台帳記載事項証明書、評価額証明書、など様々な呼び名の書面があります。それは発行する市区町村によって表題が違うのです。これは迷いのポイントですね。
| 課税価格 | |
| 評価証明書 | 評価額だけ載っている(登記に使う事がメイン) |
| 公課証明書 | 評価額の他に固定資産税や都市計画税についての価格が載っている |
| 名寄帳 | その人がその市町村に持っている不動産についての評価額、固定資産税や都市計画税についての価格が載っている |
この3つが3大の評価額について書かれた書面です。初心者は評価証明書を取って貰えば余計な数字を見なくて済むのでおすすめです!
法務局へは原本の提出が必要?
この話題は、登記申請をする際の悩みの種だったんですよね。●●法務局ではコピーOK、とか××法務局では原本必要。とか数年前までは絶対原本出さなきゃいけない暗黙の了解的なやつがあったのですが、実務をやっていて今現在の結論は次のとおりです。かなりゆるくなっています。
| 原本の提出 | |
| 評価証明書 | コピーだけもOK |
| 公課証明書 | コピーだけもOK |
| 名寄帳 | コピーだけもOK |
| 課税明細書 | コピーだけもOK |
| 千葉地方法務局管内 | 何もつけなくてもOK |
経験上いずれも問題なく登記は完了しています。
理由は、法定添付書面ではないんのですよね。法務局によっては、台帳を閲覧出来て評価額を調べることができる局もあることからそういった場合はつけなくてもOKってことです。ただ、登録免許税を算出するのに結局は取得するんですけどね。
ただ、法務局から電話がかかってきたパターンとして、
・原本還付処理がされていて、原本に相違ないと書かれているのに原本の同封がなかった。
・評価証明書のコピーに原本還付処理がされているが、原本が関係証明書だった。
といった時に連絡がきたことはありました。
まとめ
司法書士にとって登録免許税にかかる部分なので、間違えては死活問題です。登記費用は司法書士報酬+登録免許税がメインなので、登録免許税の計算ミスは見積書のズレに直接つながります。そして間違えた時なかなか間違えたので上乗せします。とは言いにくい部分ではあるんですよね。なので計算ミスがないよう司法書士合格者の方や即独の方は、情報収集を欠かせません。ぜひ参考にしていただければ幸いです。では!


